ギャリソンテーパー理論の展開

塗装及びガイドモーメントの実重量による計算

 A Master's Guide To Building A Bamboo Fly Rodでは、塗装及びガイドモーメントは典型的な例としてグラフ(及び数値)で示されているのみであり、 TakeRodのVer1.0xでは塗装及びガイドの重量分布をロッド全体に均一として、単位重量を係数として入力出来るため自由に同モーメントを変更する ことは出来ますが、実際のロッドとの状態とは誤差が生じます。そこで、出来るだけ実際のロッドの状態に近い数値を算出するために、実重量による 同モーメントの算出を考察します。

・塗装モーメントの実重量による計算
 塗装膜の厚さをロッド全体に均等とすると、重量分布はロッドのテーパーにしたがって連続的に対面幅が大きい部分は重く、小さい部分は軽くなる。 つまりバンブーの重量分布と同じと考えられる。よって、バンブーモーメントの計算方法で、単位重量を塗料(乾燥)単位重量、体積を  体積(対面幅+塗装厚)ー体積(対面幅)、とすれば算出することが出来る。つまり 塗料モーメント=Σ(セグメントあたりの塗料重量×重心位置×インパクト係数) となります。
 塗料(乾燥)単位重量は、私が普段使っているウレタン塗料を使って測定したところ約1g/cc(比重1)でした。

・ガイドモーメントの実重量による計算
 トップガイドに関しては、A Master's Guide To Building A Bamboo Fly Rodでも重要視され、ティップインパクトの計算に用いられますが、その他のガイドに 関しては上記のように典型的例として示されている(全体に均一に分布されていると考える)のみです。これらを実際のロッドの状態に近い数値を算出するために、 ガイド一つ一つについてモーメントを考えると、重量分布は1ヶ所に集中している、つまりフェルールの重量分布と同じと考えられます。よって、フェルール重量の 計算方法で、重量をガイド重量としてそれぞれのガイドのモーメントの合計を求めれば全体のガイドモーメントを求めることが出来ます。つまり
 ガイドモーメント=Σ(ガイド重量×ティップからの長さ×インパクト係数)
となります。

・実重量塗装&ガイドモーメント
 したがって、実重量塗装&ガイドモーメントは、上記の塗装モーメントとガイドモーメントを合成(加算)することにより求められます。 TakeRod Ver2.00以降では計算オプションを選択することにより、上記の計算方法にて塗装&ガイドモーメントを算出することが出来るようになってます。


バンブーモーメントの実重量・実テーパーによる計算

 A Master's Guide To Building A Bamboo Fly Rodでは、バンブーモーメントは典型的な例としてティップを一定(0.07inch)、バットをロッド長に応じた太さとして これらを直線で結んだテーパーと、竹単位重量の一定範囲の対面幅の平均値(0.668oz/cubic inch)を用いて算出しますが、実際のロッドとのテーパーの違い、 竹単位重量の対面幅による変化のため、算出結果に誤差が生じます。そこで、実重量、実テーパーによるバンブーモーメントの計算について考察します。

・竹単位重量の実重量によるバンブーモーメントの計算
 計算方法については、通常のバンブーモーメントの算出法と同じです。その竹単位重量に平均値ではなく、実際に対面幅毎に測定した単位重量を代入する ことにより計算します。
 私が測定したトンキンバンブーの対面幅毎のの単位重量は下記の通りです。

竹単位重量実測値
対面幅/2[mm]重量[g] 単位重量[g/立方cm]単位重量[oz/立方inch]
5.89.80.9450.546
5.58.61.0260.593
5.07.41.0680.617
4.56.21.1050.639
4.05.21.1730.678
3.53.91.1490.664
3.02.91.1630.672
2.52.01.1550.667
2.01.41.2630.730
1.50.81.2830.742
1.00.41.4430.834
単位重量平均値:1.161[g/立方cm] ( 0.671[oz/立方inch] )
ストリップ長:48cm

 単位重量は、対面幅に比例して大きくなります。硬くて重い繊維が竹の表面に行くほど密集しているということですね。 A Master's Guide To Building A Bamboo Fly Rodでは、パワーファイバーのみの層になると単位重量が一定になるグラフが出てますが、 測定した結果からは、この頭打ち現象は確認出来ませんでした。もっと細く削れるフォームを使えば、もしかするとこの現象が確認できるかもしれません。

 この測定値は、TakeRod Ver2.00以降のオプションのバンブー単位重量(実重量)のトンキンにデフォルトで入ってます。トンキン以外にも、真竹や破竹、 孟宗竹等の単位重量を測定して算出してみると面白い結果が得られるかもしれませんね。 TakeRod Ver2.00以降では計算オプションを選択することにより、上記の計算方法にてバンブーモーメントを算出することが出来るようになってます。

・実テーパーによるバンブーモーメントの計算
 計算方法については、通常のバンブーモーメントの算出法と同じです。そのストレートテーパーの部分を実際のテーパー値を代入して計算します。 しかし、この方法だと対面幅が全て0の場合算出不能になり、また0でない場合でもストレス値から対面幅を算出する場合

現在のテーパーでモーメント算出

ストレス値とモーメントで対面幅算出

テーパー(バンブーモーメント)変化

というパラドクスがあります。これらの問題を解決するため、TakeRodではバンブーモーメント算出の際、

標準のストレートテーパーでバンブーモーメント算出
↓ ←a
テーパーを算出
↓   
算出されたテーパーでバンブーモーメントを算出
↓   
aへ(数回繰り返し)

という方法で行ってます。この繰り返し計算により、ほぼ実際のテーパーでの値に収束します。
TakeRod Ver2.00以降では計算オプションを選択することにより、上記の計算方法にてバンブーモーメントを算出することが出来るようになってます。